にじとたいよう

にじさんとワタシと

おいていかないで

時間はどんどん進んでいく。


治療について決めないといけないことも、たくさん。


でも、未来はちっとも見えなくて。
しんじゃうかもってどこかで思ってるから。



それに心が追いつかなくて。



周りのともだちは普段通りの生活をしてどんどん日々をこなして、未来を思い、未来を創っていく。


「こわい」
「おいていかないで」



そう言って、はじめてにじさんのまえで、泣いた。


小さい頃から、家族以外の誰の前でも泣いたことはなかった。


病気がわかってからは、家族の前ですら。


「だいじょうぶ。おいていかないから。」


そう言ってにじさんはぎゅーしてくれた。



うれしかった。




だれかに甘えたかったのかな。
ずっとひとりで平気って思っていたけど。

ちがったようだ。




そして、この日、はじめてにじさんとキスをした。


なぜだか、わからない。
自分でも。


酔っていた、からか....?


にじさんもびっくりしていたけど。




でも、そうしたかった....。


にじさんに「すき」を。
にじさんに「ありがとう」を。


伝えたかったのかもしれない....。